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Susyadi; 与能本 泰介
JAERI-Research 2005-011, 64 Pages, 2005/06
ROSA/LSTF実験で観測された蒸気発生器(SG)U字管群での非一様流動に着目しPWRにおける定常自然循環を検討した。RELAP5/MOD3コードを用いた解析では、SG挙動を、一次系を1本、又は、5本、又は、9本の平行流路で表し、実験に基づく境界条件を使用するSGモデルを用いて解析した。その結果、5ないし9本の平行流路を用いる場合、逆流,流入と排水,二相成層のような重要な非一様流動現象や、実験と同様な安定な出口流動を再現できることがわかった。しかし二次系への伝熱量は最大15%過小評価された。さらに、特に低圧条件において注意深く入口流量を設定する場合のみ安定な自然循環挙動が得られるなど、定常状態を確立するための問題が見いだされた。
竹田 武司; 浅香 英明; 鈴木 光弘; 中村 秀夫
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 8 Pages, 2005/05
制御棒駆動装置貫通ノズルの周方向のクラックは、PWRの小破断LOCAを引き起こす可能性がある。しかし、原子炉容器上部ヘッド小破断LOCAに関する実験的及び解析的研究は少ない。このため、LSTFを用いて、破断サイズ0.5%の上部ヘッド小破断LOCA模擬実験を行った。実験において、上部ヘッドにおける蓄水が、破断流量を制御する現象となることを見いだした。制御棒案内管の貫通孔近傍が蒸気中に露出するまで、制御棒案内管を介して、上部プレナム内の冷却材は上部ヘッドに流入した。また、二相流放出過程において、上部ヘッドコラプスト水位の振動現象が見られた。RELAP5/MOD3コードは、二相流放出過程における破断流量を過大評価し、実験より早く炉心のボイルオフが開始した。そこで、二相流放出過程における放出係数を破断流量の測定値と比較し補正することにより、上部プレナムと炉心のコラプスト水位は実験結果とよく一致した。この二相流放出係数を用いて、高圧注入系不作動条件下で破断面積が炉心冷却に与える影響を調べた。破断面積が1.52.5%の場合、1次系圧力が蓄圧注入系の作動圧力まで低下することにより、炉心の温度上昇が抑制される可能性があることを示した。
高松 邦吉; 片西 昌司; 中川 繁昭; 國富 一彦
日本原子力学会和文論文誌, 3(1), p.76 - 87, 2004/03
日本原子力研究所では、高温ガス炉を用いた電気出力約300MWのガスタービン発電システム(GTHTR300:Gas Turbine High Temperature Reactor 300)の設計研究を行っており、その一環として、RELAP5/MOD3コードをもとに高温ガス炉システム全体の動特性を解析するためのコード"Code for Numerical Analysis of GTHTR(Conan-GTHTR)"を開発している。このコードは、HTTRで開発しているHTGR用プラント動特性解析コード"ACCORD"のクロスチェックに用いることもできる。そこで、このコードを用いて、HTTRのモデル化を行い、HTTRにおける運転・試験の結果を用いて原子炉系の検証を行った。これらの結果からGTHTR300の安全評価のための動特性解析コードとして使用可能であることを明らかにした。
浅香 英明; 安濃田 良成
混相流, 17(2), p.116 - 125, 2003/06
原研ROSA-V計画のもとで、LSTF装置を用いた総合実験とREALP5/MOD3コード解析により、加圧水型原子炉(PWR)の高圧ECCS注入機能喪失に伴う小破断冷却材喪失事故(SBLOCA)時におけるSGの2次系強制冷却の有効性にかかわるパラメータの体系的評価手法を示し、運転操作の判断根拠を定量的に明らかにし、運転員が把握できる情報、すなわち減圧速度と減圧開始時間のみで操作の指針となるチャートを開発した。さらに、従来のLOCA解析コードでは、SG伝熱管の入り口においてのみCCFLが発生するようにモデル化されていたため、長い液柱の形成が予測されなかった。それに対し、CCFL条件判別式を伝熱管入口だけではなく全体に適用するようモデル化することにより、安全上重要な2次系強制冷却操作によって伝熱管内に形成される水柱の高さ及び保持時間を良好に再現できることなど、ROSA-V計画におけるシビアアクシデント防止に関するアクシデントマネージメント研究の主要な成果を紹介している。
鈴木 光弘
JAERI-Tech 2002-071, 171 Pages, 2002/10
本報は大型非定常試験装置(LSTF)を用いて実施した全交流電源喪失実験の加圧器熱流体挙動を解析したものである。LSTFでは米国のAP600型原子炉をモデルとした上記実験を実施したが、その長時間の原子炉冷却・減圧過程で、一旦喪失した加圧器水位が再上昇し、蒸気配管まで満水にする特徴的事象が見られた。実験結果の分析により、これは自然循環が停留した蒸気発生器伝熱管内で冷却材が減圧沸騰を開始した条件下で、加圧器蒸気配管で蒸気凝縮が継続したことに起因するものと判断された。本報はRELAP5/MOD3コードによる解析と実験結果の分析により、蒸気配管部の凝縮減圧効果と加圧器壁の熱源効果という、2種類の構造材-冷却材熱的相互作用を定量的に解明した。また加圧器系の熱損失特性を評価した。加えて実機加圧器系との熱的特性の相違についても明らかにした。
Seul, K. W.*; 与能本 泰介; Bang, Y. S.*; 安濃田 良成
Proceedings of 6th Biennial Conference on Engineering Systems Design and Analysis (ESDA2002), 9 Pages, 2002/07
蒸気発生器伝熱管損傷事象(SGTR)における複数本破断の安全性を実験的・解析的に評価した。実験では、原研のLSTFを用い、実機のSGTR事故時運転手順を模擬することにより運転操作の有効性を確認した。その結果、伝熱管6.5本相当の破断に対して、一次系逃し弁の手動開操作により、1次系から2次系への冷却材の流出を速やかに停止できることが確認された。本実験データをもとに、RELAP5/MOD3.3コードによる複数本SGTR事象の予測性能を検証した。解析結果は、水位挙動や主蒸気逃し弁の開閉などのシステム挙動を良好に再現した。最後に、検証された解析コードを用いて、破断伝熱管の本数の影響について1本から10本までの範囲で感度解析を行った。その結果、3本以上の破断において破断側蒸気発生器2次側が満水になるが、解析範囲内では、主蒸気逃し弁からの積算流出量に大きな違いが無いことが明らかとなった。